新事業テイクオフ支援事業計画作成と組織力強化コンサルティング準備
- 成松 隼人
- 6月16日
- 読了時間: 7分
新事業テイクオフ支援の申請をするクライアントさんの事業計画をまとめました。
クライアントさんがしっかりと新規事業の内容をまとめていたので、それを整理する程度で済みました。これで申請をしてもらって、新事業テイクオフ補助金と新事業テイクオフ伴走支援をしたいと考えております。
そして、来週から建築関係のクライアントさんで、組織力強化コンサルティングの定例ミーティングが始まるので、その準備をしました。
組織力強化のキックオフは目標管理を含めた
人事評価制度の構築から進めます。
人事評価制度と目標管理制度とはどういったものなのか。どのように進めていくのかということを取締役さん、管理職の皆さんに共通理解と認識をもってもらうための資料をまとめました。
この内容で進めて、自社の人事評価制度と目標管理制度の在り方を検討いただき、2回目の定例ミーティングから、皆さんのアイディアを出していただきながら、クライアントさん独自の組織力強化に向けた効果的な人事評価制度と目標管理制度を構築します。

人事評価制度の真意
単に従業員を評価し、給与や昇進を決定させるためだけの制度ではありません。
「企業•組織の目標や企業理念の共有」「待遇•処遇の根拠」「人材活用•配置」「人材育成」
なども目的としています。人事評価を正しく運用できれば、従業員のモチベーションや生産性を向上させることが可能となります。
結果的には、企業全体の目標達成や業績アップにもつながるのです。

目標管理制度とは
従業員一人ひとりの目標を経営目標や部門目標と連動させることで、業績アップを目指す
マネジメン手法です。
目標管理制度には具体的な項目は4つあります
⓵ 能力開発目標
⓶ 職務遂行目標
⓷ 業務改善目標
⓸ 業績目標
ここで注意したいのは、「目標管理」は一方的に決められた目標の達成を推進するものではないということ。
社員が自ら設定した「自分にとって望ましい目標」を、上司がその適正度を確認して組織目標とリンクさせながら、達成に向けてサポートしていくマネジメントです。
目標管理導入のキッカケは成果主義の普及
本来「目標管理」は人事評価を行うためのものではありません。しかし日本の企業では、人事制度にも「目標管理」の考え方が取り入れられています。その背景には、成果主義の普及があるといえます。
「目標管理」が導入されるようになるまで、多くの日本企業では、「個人の成果」によってではなく、「個人に期待される職務遂行能力」によって処遇を定める「職能資格制度」が用いられていました。
日本独自の職能資格制度が持つ欠点
職能資格制度は、終身雇用と年功序列を前提とする制度のため、「高い成果を出した若手社員」よりも「勤続年数の長い社員」が優遇される傾向にありました。そのうえ明確な評価基準がなく、客観的に評価を定めることが難しかったのです。
従って、成果に見合った地位・賃金を得られない優秀な社員の意欲低下を招く、社員の実績に関係なく人件費が増加してしまうといった欠点も生じていました。さらに、バブル崩壊によって低迷した日本経済の影響で、日本企業はコストカットを余儀なくされたのです。
こうした情勢の中で人件費を抑えつつ、貢献度の高い社員に高い賃金を支払うという成果主義的な仕組みが必要になり、「目標管理」の考え方が注目されるようになりました。
最も大事なポイントはモチベーション向上
「認められたい」「昇進がしたい」「役に立ちたい」という意識を高める事で、社員のモチベーションは高まります。MBOにより設定した目標は、企業に役にたつ目標だと上司も認めているものです。
そのため目標を達成することで、「自分は企業の役に立つ人材だ」という自信につながるのです。
しかし、目標設定に慣れていない社員や、目標達成能力が低い社員はモチベーションが下がっていきます。
マネージャーはフィールドバックを続け、社員らが目標を達成するように導く必要があります。
個人目標の設定には自主性が重要
各社員の目標は、上司が一方的に決めるのではなく本人が主体で設定することが重要です。やらされているっという意識ではなく、「組織へ貢献すると同時に自分の成長のためにもなる。」という意識が芽生え、モチベーションが高まりやすくなるのです。
部下が目標を設定てまきたら、上司は次のような点を確認します。
組織目標につながる目標か。
本人の能力に対して簡単すぎる目標ではないか
実現不可能な目標になってないか。
一度立てた目標だからとそのまま各社員に任せきりにするのではなく、設定した目標が適切だったかどうかなどを問いかけ、自己の振り返りを促します。場合によっては目標や行動計画を再度設定する。
目標•計画の修正に関しても、目標設定時と同様に本人を主体として検討させる。
週に一度・月に一度などの定期的な面談を行ったりすることが有効です。
まずは各社員に自己評価をさせ、その後上司が評定を行うという流れです。
この目標管理制度では、努力量ではなく、あくまでも「目標達成度」という視点で客観的な評価を下すことが重要です。
目標達成が叶わなかった場合は、「何が問題だったのか」「次はどのようにすれば目標を達成できるか」といったことを該当する社員に考えさせ、それをサポートして下さい。
こうした社員にも客観的な評価を行わなければ公平性を保てないという点は、目標管理制度運用の難しいところです。評価者としても、伝えづらいと感じる方は多いかもしれません。
各社員が納得したうえで目標管理制度を続けるには、社員の努力や姿勢を制度の外でフォローすることも必要です。高い評価をつけることができなかった理由を説明したり、努力を認めてあげましょ。
同様に、本人の自己評価よりも上長評価のほうが低かった場合も、その評価の隔たりについて説明する必要があります。本人から自己評価の理由を聞き取ってから、なぜ会社側はこの評価を下したのかを丁寧に伝えるのです。
こうしたコミュニケーションに気を配ることで、上司と部下の間にある信頼関係を損なうことなく、納得のいかない評価による社員のモチベーション喪失を防ぐことが可能になります。
新しい目標管理制度OKRとMBOの違い

近年、Google社などで採用されているOKRという目標管理制度に注目が集まっています。
ムーンショットとルーフショット
OKRにはムーンショットとルーフショットの二種類があります。
ムーンショットとは「月(moon)に届くほどのショット」というその名のとおり、非常にチャレンジングな目標です。
基本的に60~70%(スイートスポットと呼ばれる範囲)の達成で成功とみなされますが、これがチーム内で「完璧にできなくてもよい」という認識を引き起こし、パフォーマンスを下げてしまうという危惧もあります。
一方のルーフショットとは「屋根(roof)に届くほどのショット」を意味するように、難しいけれど実現可能なレベルの目標のこと。100%の達成こそが成功であり、100%未満は失敗とみなされます。
共有範囲
MBOの目標は各従業員と上司・人事担当者のみの間で共有されます。一人ひとり個別に設定され、全体に開示されることはありません。これは、業績が直接に報酬に影響を及ぼすことも関係しています。
一方、OKRの目標は企業・チームの中で共有されます。一人ひとりのパフォーマンスは組織内で公開され、目標に合わせて調整されます。OKRの目標とは組織全体の目標であり、それを達成するためにチーム内で連携する必要があるのです。
なぜOKRでは目標管理と報酬制度を分離するのか?
目標を報酬制度と結びつけてしまうと、管理職を含む従業員が達成率を上げるために目標を低く設定してしまう可能性が出てきます。報酬のために低い目標しか設定できないという状況が定着し、企業の業績が低迷してしまう可能性が高まります。
OKRが報酬制度と結びつかないのは、その目的を企業・組織の業績を伸ばすため、大きな目標を達成することに置いているからなのです。
次のブログでは、もう少しOKRを深掘りしていきます。
Коментарі